Sony α7シリーズが登場してから引き伸ばしレンズを撮影レンズとして使う方も増えたと思います。引き伸ばしレンズ自体現行品はわずかで、ほとんどがかなり以前に製造されたもので、中古品として安く出回っていますから(大半が数千円台)入手しやすいです。古いものでも状態さえ良ければレンズの基本性能は決して悪いものではありません。撮影レンズに転用する場合重要なのはヘリイドの選定と鏡胴の作りがとても重要です。ヘリイドと鏡胴を含めたレンズ本体の内面反射を徹底的に抑え込む処理がレンズフードと同様に必要になります。市販の撮影用レンズではこの辺は徹底して行われています。今回使うことにしたヘリイド(Pixco M52-M42/36-90)は最大に伸ばすと90mmあります。内径の小さなものは内部反射も強くなりやすいので太めのM52を使いました。伸び代が大きいと言うことは内部の摺動部分も大きくここは黒のアルマイト処理されていますが、まだ反射はあります。摺動部分以外は黒のウールペーパーを貼り、細かなところはリキテックスのJET BLACKで塗りつぶしました。仕上がったレンズユニットを光にかざしてレンズマウント面から覗き込み鏡胴内部が真っ暗なのが理想的です。
Sony α7シリーズの使用をベースにビューカメラを自作した件はこのブログに書きましたが、フロント部分(レンズを載せるフロントスタンダード)はリンフォフの機構をそのまま移植した形なので精度、操作性、耐久性など問題なかったのですが、リヤのカメラ本体を載せる土台となる(リヤスタンダード)部分はアオリ機構(スィング)は最初から諦めていましたが、左右と上下にスライドする機構は(ライズ、フォール、左右シフト)最低限必要なので、アルミ部材で自作しましたが強度、耐久性、操作性、精度などに使っていて問題があり、まず左右スライドするベースの外側部材の噛み込み部分の部材を少し大きくして強度を上げ揺れやガタが出ないよう調整し、ストッパーネジも新たに作り組み込みました。
Sony α7シリーズをベースにビューカメラを自作した件はこのブログに書きましたが、今回はカメラをマウントするリアのスタンダード部分の改良なので、前回はフロント部の動きを主に紹介しましたが、後ろ側(カメラ側)から見た動きの変化をスライドショーでご覧下さい。各動きは約2Cm位ですが4×5判のレンズなどでは十分にカバーできる範囲です。残念ながらリアのスゥイングやティルトは構造が複雑になり精密な工作機械も必要になるので、まだ実装していませんが今後の課題です・・・??