Sony α7シリーズの 大容量電源対策

Sony α7シリーズのカメラを使うようになってから、その電源バッテリーが通常使用で全くもたない。最初に手に入れたα7ⅡはNP-FW50リチュームバッテリーで、これは以前からSonyにあるAPS-CフォーマットのNEXシリーズ、その後のαシリーズなどに使われていたバッテリーで35mmフルサイズのミラーレス一眼となったα7シリーズの電力消費量に対しては適切な選択ではなかったようだ。
ミラーレス一眼はそれまでのデジタル一眼レフと違い、主要機能の多くは電力を必要としている。さらに手ブレ補正、高速連写、AFの駆動や制御など、それらを一度機に使うわけではないが、7.2V 1020mAhのFW50では仕事で使えるレベルではない。その後α7RⅢなどが発売となった時期にNP-FZ100 7.2V 2280mAhリチュームバッテリーとなり電力の持ちはかなり改善されたが、それでも仕事で長時間にわたっての使用には心許ない状態だ。
FW50とFZ100は7.2Vの電圧は同一だが、サイズが全く違うので互換性はなくFW50を使うカメラには対応できないのも残念としか言いようがない。バッテリーを複数個用意して取り替えれば良いと思うが、その間電源が落ちることになることや、純正バッテリーはかなり高価であること、NPA-MQZ1Kと言うマルチバッテリーアダプターキットもあるがこれもまたかなりの高価(4本のNP-FZ100を積んでいてかなり大きい)・・・

外部電源3タイプ
用意した外部電源3タイプ

そんな訳で内蔵バッテリーに頼らない外部電源供給の用意が必要となる。外部電源は現在手元に3種類あり、最初はα7Ⅱ用にSony AC-PW20 AC100vを手に入れた。これはDC7.6V 2.0A出力のスイッチングACアダプターとFW-50対応のDCカプラーがセットになったものでスタジオなどAC100Vのある環境で使用する。電源部とDCカプラーはDCジャックコネクターで切り離せるように改造してある。(電源コードも含め上の写真左側)その後CASE RELAY FW50対応DCカプラー付きを入手。これはAC100Vのない野外などでモバイルバッテリーを繋ぎ長時間のカメラ使用を可能にするものでムービー撮影には必需品。CASE RELAYは本体にリチュームバッテリーを内蔵していてモバイルバッテリー交換時も電力供給が途切れることがないとしているが、この内蔵バッテリーが劣化してくると不具合が出る事があるので要注意。(CASE RELAYは現在使用していない!!)

下の写真はCASE RELAYの劣化したバッテリーを交換可能か分解した状態で、同様のサイズと容量のリチュームバッテリーが入手困難でした。

CASE RELAY 基板と内臓バッテリー

その後AC-FZ100パワーバンクusbケーブル+NP-FZ100はAmazonから約3,900円で入手した。(本国製品名 Raeisusp DC drive)その第一の目的はα7RⅢの長時間使用、これはAC100vのusb電源アダプターがセットになっていてそれを使わない時はモバイルバッテリーのusbから電力供給できる仕組みになっている。(上の写真右側の上)usbの電圧は5V程度なので7〜8ボルトに上げる回路が途中に入っている構造。ただし昇圧するためモバイルバッテリーの容量は2000mAh以上ないと不安定になる可能性あり。それはどう言う事かと言うとモバイルバッテリーのusb出力電圧は基本5vだが電流が低いことがあり、2アンペア以上の電流を必要とするようだ。同梱の説明書には推奨の対応モバイルバッテリーがいくつか紹介されていた。

下の写真は電圧変換パーツのアップショットでUSB入力は5ボルトで2~4アンペア、DC出力は7.6~8.8ボルトになっている。最低でも2アンペア出力のモバイルバッテリーがあればこのケーブルのみでDCカプラーを経由して電源供給可能。(現在当方で使用しているモバイルバッテリーはANKERのPowerCore20100で20100mAh/72.36WhでOutput:5V 4.8A 結構大きく重い!!)

Raeisusp DC drive cable

 

上の写真はカメラのバッテリー室に差し込むDCカプラー3種類で左からSony製FW50タイプ、中央はCASE RELAY FW50対応DCカプラー、右がAC-FZ100パワーバンク付属のFZ100対応DCカプラー、Sony製のみケーブルを途中切断して標準DCジャックコネクター(内径2.1mm 外径5.5mm センターピン+)を繋ぎ、全て同一規格にして電源供給の汎用性を確保した。(SonyだけでなくCanonやNikonもバッテリー電圧(電源電圧)はDC7〜7.5Vで電流も1.5〜2Aくらいでほぼ同じ)これでSony AC-PW20をα7RⅢでも使用可能となる。

DCカプラーの内部構造

カメラのリチュームバッテリー接続端子をよく見ると3〜4ピンあるが電力供給だけであれば2ピンでOKのはず。残量表示などデータを送るためのピンが追加されている。上のDCカプラー内部写真を参照。ソニー純正とそうでないものはチップ構造が違い、カメラ側に送るデータにも違いが出る。AC-PW20を使用時ソニー純正のDCカプラー装着ではカメラ起動時の最初から電池残量表示は表示されない。同様にCASE RELAY FW50対応DCカプラーではカメラ起動時に電池残量表示は52%と表示され、その後表示は消えカメラは継続して使える状態になる。そのように純正品でない中華製などのDCカプラーやリチューム互換バッテリーはチップ構造が違うので、たとえ電力容量がキッチリあったとしてもカメラの電池残量表示はあまり当てにしない方が良いと思う。

最後に紹介するのがトップに掲示した「用意した外部電源3タイプ」写真の右側下にあるのが最近手に入れたSIXOCTAVE NP-Fアダプター。NPFアダプターは色々な物が販売されているが、これはシンプルで価格も安かった。バッテリーを装着するとグリーンの通電ランプが点灯し、アウトプット8.4VのDCジャックと裏側にアウトプット5VのUSB-Aタイプ端子を備えている。カメラのアクセサリーシューに止められるネジも付属し、それを利用してNP-F970タイプを使用しカメラに装着した状態が下の写真です。

SIXOCTAVE NP-F

NP-F 970タイプバッテリーは容量が7000mAh 7.4V程度あるのでNP-F Z100のおおよそ3個分に値なる。すでにNP-Fバッテリーの手持ちがある場合はSIXOCTAVE NP-FとDCカプラーを用意すればコストを安く抑えたSony α7シリーズの長時間運用が可能になる。(上の写真のようにアクセサリーシューに取り付けた場合、ファインダーを覗くとき額にあたる事があり、取付場所を他の位置にした方が良いと思う)

また、大容量のモバイルバッテリーを所持しているのであればAC-FZ100パワーバンクusbケーブル+NP-FZ100(本国名Raeisusp DC drive)を使うのがコストパフォーマンスは高いと思う。使い始めて数年経つが不具合など無く耐久性も問題出ていない。

最近のSONY a7機種の多くはUSB-C端子で直接外部電源(モバイルバッテリーを含む)から電力供給を行いながら撮影を続行する事が可能になっているので、このような外部電源機器も使い方によっては必要ないかも知れない。

Leipzig Hauptbahnhof ライプツィヒ中央駅

ドイツのライプツィヒ中央駅を再び訪れました。以前に来た時にその佇まいがとても印象的でした。ヨ-ロッパでは、列車が行き止まりになる構造の駅(頭端式駅)がまだ多く存在します。ライプツィヒ中央駅はその頭端式駅の中ではヨーロッパ最大と言われています。日本では昔の上野駅が同様の成り立ちで、旅に出るとき、また旅から戻るときこの頭端式鉄道駅は旅情と言うか、その感覚がとても印象的です。

資料によると1909年に建設を開始して1915年に開業と言いますから110年前から今に続く訳で、多くのヨーロッパの中央駅が戦火で消失した中でライプツィヒ中央駅は建設当初の素晴らしい造りを今に伝えてくれます。

No,2 Leipzig Hauptbahnhof 1912.9

上の写真は右端のプラットホームで昔の蒸気機関車や客車が展示され、横には駐車場まで併設されています。見事な鉄骨構造の骨組みと板張りの天井、磨き込まれたホームの床が魅力的です。プラットホームには誰でも自由に出入りできます。駅のプラットホームは列車に乗り降りする人のためだけにあるのではなく送り迎えの人達も利用します。以前シュツッガルトの駅で(ここも頭端式駅)バラの一凛を後ろ手に持った若者を発見しました。到着した列車から降りた女性に手渡し抱擁していました。印象に残るシーンでしたが、駅の施設は誰でも自由に出入りできる必要があると思います。

No,3 Leipzig Hauptbahnhof 1912.9

上の写真は左端の工事中のプラットホームから横方向に構内を撮影したもので、現代の建築には無いアーチ状の複雑な鉄骨構造と板張りの天井が美しく見えました。

No,4 Leipzig Hauptbahnhof 2019.10

No,5 Leipzig Hauptbahnhof 2019.10

上の写真二点は最初の写真のエントランスホールから続くプラットホーム手前の広い通路?です。石貼りの大きなアーチが印象的です。地下に続く二層のショッピングモールは後に改築して作られたもので、こちらに降りると時間軸が急に現代と言う感じで面白いです。

No,6 Leipzig Hauptbahnhof 2019.10

上の写真は線路側から駅建物を見たところです。まだ全体が画角に入っていませんが(これで半分くらい)飛行機の格納庫ようなアーチ構造とその広さ、大きさが見えると思います。

ライプツィヒ中央駅は正面の建物自体も魅力があり、また昔ながらの待合室も良い雰囲気なので機会があればまた訪れて撮影したいと思うところです。

写真 トップアイキャッチ画像、No,4~No,6はα7R3/Super Wide-Heliar 15mm、写真No,2、No,3はNikonD800E/24mm(ズーム)での撮影です。

ターンテーブル再生 “マブチモーター”

久しぶりにレコードを再生しようとしたがターンテーブルが回らない。以前にも回転が不安定なこともあり、ついに完全に壊れてしまったようだ。ターンテーブルはテクニクスSP-12と言うダイレクトドライブタイプで、1974年発売のものですでに45年前の製品なので修理は不可能とあきらめ使えるしっかりした金属製の構造部材のみ使用して、以前から使っているサエクのトーンアームやMCカートリッジ(DENON-DL103など)、昇圧トランスなどはそのまま使用してローコストでベルトドライブのターンテーブルとして蘇らせる作業に取りかかりました。
最近テクニクスよりSP-10R(DDターンテーブル)が発売され80万円の???プライスタグが付いています。SP-12も当時¥45,800でしたが・・・

昔から集めたLPレコードもそこそこの枚数があり、中にはCD化されていないものも多く、それらを高音質のデジタルデータ(DSD)として保存し気軽に楽しむことが目的です。
ダイレクトドライブターンテーブルは多少の構造の違いはあれ、プラッターないしハブの中に直接モーターを組み込みコントロールユニットで回転制御を行うものでその基盤の素子(コンデンサーやダイオードなど)に何らかの劣化や接触不良が起こると制御できなくなり、専門家でないと修理も難しく、そもそも一般家電製品の電子基板の耐久性はあまり長くないように思います。修理なども基板ごと交換で国内製品は8年くらいしかアフタケアパーツを保持しません。(数年保てば良いと言うような使い捨て商品が多いと思います)ダイレクトドライブターンテーブルのモーターは必然的に低速回転でどんなに多極化しても回転のコッキングがあり、モーター別体でベルトドライブや糸ドライブにした方が回転も滑らかで振動などからも有利となりメンテナンス性も上がり、長年の使用に耐えられるものになると思います。

DC12vモータで回す!!
ターンテーブルの回転駆動モーターは一般的に交流のシンクロナスモーターを使うことが多いようですが、安く仕上げるため手元にあった壊れたテープデッキの小型DC12vモータを利用して(廃品利用)、回転が高いのとトルクがあまりないよう感じたのでギヤを組み込み1/4に減速し同時にトルクアップを狙い試作しました。ギアを組み込むことでギヤノイズが出ます。またDCブラシモーターもパルスノイズ発生がありコンデンサーをモーターに直付けしてそれらが音楽信号に影響しないよう上手く遮断する必要があります。


この試作モーターにパルス回転制御を加えてテストした結果、回転速度は33.1/3でまあ安定しますが、レコード盤に針を落とすとその瞬間回転がブレて不安定になることが判明。これはモーターの回転数をだいぶ落としていることとトルク不足による事が判明。トルクの高いRS-755 DC12v 無負荷回転5,600rpm(マブチタイプ)¥1,330を購入し組み替えて問題なしとなり、モーターユニットがベルトのテンションでも動くことないようにナマリのプレートで十分な重量になるよう組み上げました。またモーターとギヤの振動を床に伝えないようゲルとゴムマットの二重構造インシュレーターで支える構造です。マブチモーターと言うと模型用の安価で小さなものをイメージされる方も多いと思いますが、DCモーターとして産業用途で相当多くの種類があり自動車関連用途は12ボルト仕様です。回転数も種々ありますがトルクの高いものはドリルにそのまま使えるような物もあります。

構造上モーターユニットをターンテーブル本体の外側に置かず内側でハブとゴムベルトで駆動するためターンテーブル本体に接触しないよう切り欠きを大きくしてフロート状態にしています。なお、使用したゴムベルトは「カセットデッキ修理パーツ平ベルト」と言うものでTECHSPACHブランドで予備を入れて2本アマゾンより購入420×2で¥840円でした。ちなみにゴムベルトで連結されているハブには内部に多極のモーター回転子が組み込まれていましたが、それも必要ないので取り払いました。同じくハブ内にあるリングマグネットは接着されていて重量もあるので取り外ししないでそのまま使っています。

DCモーターの回転制御
ターンテーブルの要は振動やノイズの影響を受けず一定速で滑らかに回ることにつきます。簡単なようでこれが実に難しい。最近レコードが見直され一時姿を消したレコードプレイヤーが商品化され色々なメーカーから発売されるようになり、中には数百万円する驚くような回転精度を出しているハイエンド製品もあります。そう言った意味からすればDC12vブラシモーターでターンテーブル駆動は論外の意見もありでしょうが、ありもの利用のローコスト再生が目的なので・・・
DCモーターの回転制御はパルス変調方式のユニットで行います。今回は「PWM基板モジュール スピードコントローラー 無段階速度制御 0-5V PLC DC6V-90V 15A 1000W ONKYOU」と言うものをアマゾンで購入(¥1,490円)

この基板モジュールで問題が一つ、付属のボリュームBカーブ100kオームはごく一般的回転角度で安価なものなので俗に言うガリもあり安定した微調節ができないことが判明。秋月電子通商のヘリカルポテンションメーター(ヘリポット)100kオーム10回転型¥700円を購入し入れ替えました。電源供給は手持ちにいくつかあるACスウィチングアダプターの中から12ボルト5アンペアのものを使っています。

完成したローコスト再生プレイヤー

SP-12のターンテーブルプラッターは外周に回転数監視のストロボスコープドットパターンが刻まれているので百均ショップで買ったLED豆電球をすぐ横に配して再生中に監視していますが重めのレコードスタビライザーを乗せても、針の上げ下ろしをしても安定して回転しています。モーターのギヤユニットからのノイズは噛み合わせを微調整しても若干出ていますが、カートリッジから出力された信号には全く影響ありません。audio-technicaのインシュレーターも以前からあるもの利用で、今回は5,000円以内でターンテーブル再生できました。
レコードからのデジタル収録にはコルグのDS-DAC-10Rを使っています。DSDデータはアナログレコードに刻まれた豊かな情報量を再現できるようで気に入っています。

Sony α7シリーズと引き伸ばしレンズ FUJINON-EX 1:5.6 90mm マクロ仕様

Sony α7シリーズをベースに引き伸ばしレンズFUJINON-EX 90mmでマクロレンズを組み上げました。以前から80〜90mmクラスのレンズでマクロ領域も可能な質の良いレンズをいろいろと検討していました。Micro-NIKKOR 105mmは昔から所持し使っていますが、105mmは場合によってちょっと長いと感じる時もあり、80〜90mmクラスの画角がよりオールラウンドと思ったからです。Sony α7シリーズ用にも純正の90mmがあり、またタムロンのSP90mmなども魅力あるレンズ存在しますが、そこそこの値段しますし、重く大きいと感じます。僕がα7を使い始めた理由は何よりコンパクトなことが一番の理由ですから大きく重いレンズはNOです。手元にある引き伸ばしレンズFUJINON-EP 90mmを使うことを考え、オーバーホールしバルサム剥がし再接着も行いましたが長年の保管状態が良くなかった所為かクリアな状態に戻せなかったため諦め、ヤフオクで非常に良い状態のFUJINON-EX 90mmを手に入れました。

引き伸ばしレンズは本来の使用目的から考えても近接撮影にも適したレンズ設計がなされていると思います。(引き伸ばし機に装着してレンズからネガ面、印画紙面の距離を考えると通常、数十センチ、大伸ばしでも印画紙面まで1メートル程度です)もちろん撮影レンズとして使う場合は無限遠でも問題ないと思います。それと引き伸ばしレンズの一番の魅力は軽く小さいことです。鏡胴やヘリコイドもなしのレンズ群と絞りのみで、いろいろ改造アレンジしてもやはりコンパクトで軽く仕上がります。(AFだとかブレ補正機構とか一切ありませんが・・・)

引き伸ばしレンズは一つ難点があります。それは明るさで一般的には開放絞りが5.6程度で撮影レンズとしては暗い方でしょう。紙のように薄く浅いピントと極端なボケは期待できません。僕の場合は普段からある程度絞り込んで撮影することの方が多いので問題なしですが。

伸びしろのあるヘリコイド(Pixco M52-M42/36-90)を用意したので以前から所有していたRodagon 150mmも同時に望遠マクロとして使えるように改造しました。(このRodagon 150mmに関してはまた時間があればレポートしたいと思います)二本の長焦点引き伸ばし用レンズを撮影レンズとして使う為、ヘリコイドユニットは供用したいので手元にあったNikonのレンズマウントを使用してヘリコイドはそのままでレンズのみ交換可能にしました。ヘリコイドのカメラマウント側はEマウント、レンズマウント側はNikonマウントと言う仕様です。

用意したヘリコイドを一番縮めた状態で無限遠にフランジバックを調整する為Rodagonでは使った鏡胴パーツ(延長筒)は友人から譲り受けたNikonの望遠鏡のアタッチメントパーツをカットしたりして使用しています。Nikonの望遠鏡パーツは現在民生用として販売されていません。(BORGなど専業メーカーには多くのオプションパーツがあります)望遠鏡パーツはM52とかM42のネジが切ってある場合が多く改造使用時に便利なところです。取り付け部分(マウント部分)をうまく作れればただのアルミパイプなどでも製作可能です。

Fujiの資料よりスペックを転記します。
EBCフジノンEX 90mm 1:5.6/本製品は、生産終了いたしました。
焦点距離(mm):90/口径比(F):5.6/レンズ構成(群-枚):6-6
包括角度(開放):58/最大適用画面寸法(開放・mm):56×84
最小絞り(F):32/設計基準率倍率:×7/使用倍率範囲:×1.5~×15
色消波長域(nm):380~700/歪曲(%):-0.06/焦点距離設計値(mm):91.9
鏡胴外径(mm):54/フランジ取付ネジ:39 P=1/26″/鏡胴長(mm):40
フランジフォーカス(mm):82.1/バックフォーカス(mm):74.8
第2主点とフランジ面の距離(mm):9.9/主点間隔(mm):-2.3
全長(mm):40/重量(g):95

ここで注目なのはまず単体重量95グラム!!です。非常に軽量、EXシリーズはEPにつづきFujiの最後の引き伸ばしレンズでEPまでは主に金属製でしたがEXでは樹脂パーツを使用し軽量化されています。そして名称は「EBCフジノン」となっています。昔Fujiの大判レンズを良く使用していましたがEBCフジノンがありました。富士フィルムの資料によれば『FUJIFILMのレンズは”EBC”の文字がクレジットされているものがある。これは”Electron Beam Coating”の略で、多層反射防止コートがレンズに施されていることを表している。レンズと空気の屈折率(INDEX)の差から生まれる光の反射を防ぎ、描写性能を高めるためのテクノロジーである。』とあります。このブログにも書いていますがFjinon EP 50mm F3.5も撮影レンズとして使っています。確かにこのEX90mmの方が色転びがなくニュートラルで抜けの良い感じがします。

もう一つ僕が注目したのは『最大適用画面寸法(開放・mm):56×84』の部分です。引き伸ばしレンズで90mmクラスは対するネガサイズが6×7もしくは6×8ですから、レンズで言うところのイメージサークルが絞り開放で80mmあると言うところです。これは自作ビューカメラでアオリやシフトがこの小さなレンズで十分使えるスペックと言うところです。

上の写真はEX-90mm(フィルターネジ径46mm)を撮影レンズとして使うためのヘリコイドを除いた構成パーツでNikon BR-2リングはフィルター径52mmのレンズをリバース接続(レンズをひっくり返して使う)で使うためのリングで写真では見えない下側に52mmのネジが切ってあります。BR-2リングの上方にある52mmメスネジ付きのフランジバック調整リングの一方に42mmアダプター(内側に39mmネジ付き)をかませたEX-90mmを取り付けます。また野外での撮影時のために46-52アダプターと52mmレンズプロテクトフィルター、52mm径のアルミフードを用意しました。長焦点や望遠系のレンズはクリアな画像を得るため余分な光をカットするフードは必需品です。携帯時にはフードをレンズ本体に被せてコンパクトにするため内側に黒のフエルト布を貼っています。

絞り開放でのレンズテスト撮影。Fujiの発表スペック通り、周辺減光、湾曲ともほとんど0です。(もっとも90mmクラスは焦点距離も長いので35mmフルサイズでは周辺減光は少ない筈ですが)

上の写真、Nikonのスピードライト(レンズ先端装着用のMACRO SPEEDLIGHT SB-21、かなり以前のものです)とLEDを使い撮影しました。深いピントが欲しいためf22ですが小絞りボケ(解析現象)や色収差、パープルやグリーンのフリンジは見られず、極めてクリーンな描画をします。また十分にシャープですが柔らかい階調を持った自然な写りも良いと感じました。

スタジオでの撮影ではリンフォフボードにマウントして自作のビューカメラ(当ブログでも紹介している)にて撮影することが多いです。十分な大きさのイメージサークルがあるのでビューカメラ用にも最適と思います。レンズ自体非常にコンパクトで軽量なのも魅力です。

夕暮れ時間、窓越しに2台の自転車を撮りました。ほの暗い時間帯のやわらかな光の感じが自然に捉えられた気がします。またこのレンズで撮影し、気に入ったものがあれば追々写真を追加していきます。

最後に・・・

Sony α7シリーズが登場してから引き伸ばしレンズを撮影レンズとして使う方も増えたと思います。引き伸ばしレンズ自体現行品はわずかで、ほとんどがかなり以前に製造されたもので、中古品として安く出回っていますから(大半が数千円台)入手しやすいです。古いものでも状態さえ良ければレンズの基本性能は決して悪いものではありません。撮影レンズに転用する場合重要なのはヘリイドの選定と鏡胴の作りがとても重要です。ヘリイドと鏡胴を含めたレンズ本体の内面反射を徹底的に抑え込む処理が必要になります。市販の撮影用レンズではこの辺は徹底して行われています。今回使うことにしたヘリイド(Pixco M52-M42/36-90)は最大に伸ばすと90mmあります。内径の小さなものは内部反射も強くなりやすいので太めのM52を使いました。伸び代が大きいと言うことは内部の摺動部分も大きくここは黒のアルマイト処理されていますが、まだ反射はあります。摺動部分以外は黒のウールペーパーを貼り、細かなところはリキテックスのJET BLACKで塗りつぶしました。仕上がったレンズユニットを光にかざしてレンズマウント面から覗き込み鏡胴内部が真っ暗なのが理想的です。

デジタルカメラの撮像素子CMOSはフィルムに比べて極めて平らな表面で鏡のように強い光があたれば反射もします。レンズから入ってきた光を撮像素子面のみに届くように、他の余分な光はカットしてしまうのが理想ですが、なかなか難しいところです。古い引き伸ばしレンズであっても曇りやホコリがなくクリアな状態であればフードを使い鏡胴内部の反射対策など行うことでコントラストのあるしっかりした画像を得ることができると思います。

Quick-set ハスキー雲台・改造復活

記憶にないので定かではないけれど40年以上Quick-setハスキー三脚(4段仕様はハイボーイと言う名称でした)を使い続けてきた。しかしこの15年近くはほとんど使うことなく機材の棚に眠ったままで、ジッツオのカーボン三脚がメインになっていた。最近のカーボン三脚は非常に軽く携行が楽で、足の伸び縮みもクィック操作可能で使い勝手は極めて良くなってきています。(アルミの三脚は冬場、冷え切って手が凍り付く感じで、カーボンは冷えないのが良い)三脚は載せるカメラや撮影状況に応じて複数所持し運用していますが、雲台に関してはサイズや重量も含め、なめらかに動き確実に止まりなおかつ載せるカメラサイズや重量に対して幅広く対応可能なものがなかなか見当たらない。
デジタルカメラ、それも35mm一眼タイプになってからは小型でかさばらないボール雲台も数種使っていますが、ボール雲台は結局カメラ本体またはレンズを手で支えながらの操作になり、微妙な調整や動きに難があり、パン棒の付いた従来のスリーウェイ雲台の方が操作に安定感があり理想的な気がします。(パン棒は長さがあり回転の中心から離れて滑らかな操作可能で固定締め付けのトルクコントロールもしやすい)
Quick-setのハスキー雲台がこの手のオーソドックスな雲台の中で最も使い勝手が良く強度や耐久性にも優れていることは理解していたので、ほとんどお蔵入りのハイボーイ本体から雲台のみ取り外して使うことにしました。最近の三脚は足の部分と雲台が別パーツになっているものがほとんどだが、Quick-set三脚はエレベーターシャフトと雲台は一体化されたシンプルな構造。(この雲台の良さが見直されたせいか最近では雲台のみの販売も行われています。新規購入の方はこちらをどうぞ・・・)

エレベータシャフトから頭部分を分離切り離し

切り離す前によく観察すると、雲台のセンターシャフト基部とエレベーターシャフトは内部でネジ固定されているようだが、とても硬く外すのが困難なので継ぎ目あたりでカット。内部ネジ固定は緩まないように接着剤で固めてあったので、接着剤を剥がしパイプネジ内側に回転用の切り込みを入れネジ部を外して保管。(使う事ないが万が一戻す時に必要)ゴムリングとスプリングワシャーはエレベーターシャフトが下まで下がった時の衝撃吸収ストッパーのパーツです。

センターシャフトと回転ドラム

単独の雲台として使用するためセンターシャフトに3/8wインチ(太ネジ)のジョイントナット長さ5センチをアルミ丸パイプをかませて打ち込み、三方からネジで完全固定。さらに雲台を回転させた時にネジの頭が当たらないように研磨した。このセンターシャフトとそれを受ける回転ドラムはスチール製でメッキ処理されている。回転ドラムは十分な厚みがあり耐久性と強度、スムースな動きを可能にしている。
上の写真から解るようにセンターシャフトの回転固定は背面が回転ドラムの内側で支えられたアルミ製の二個の駒が左右からテーパー状に挟み込み締め上げる構造で、横ぶれなどなくスッと確実に回転を抑え込む優れた構造になっている。

Quick-set 雲台の全パーツ

上の写真が雲台のパーツ全てで、本体と言うかフレーム本体はアルミ鋳造品で表面の仕上げなどあまり気にしないアメリカ製らしいラフなものだが長年の使用で塗装が剥げ落ちていたので再塗装しました。写真では下向きになっているトッププレート部分は大きいカメラを載せるため長細くなっていたので1センチほどカット。側面部分も妙な台形をヤスリで垂直に整え、カメラを止めるネジ穴もほぼ中心に揃えて3/8wであけ直しました。

Quick-set 回転止め部分

メッキ処理されたスチール製の肉厚回転ドラムが収まるリング状の部分ですが、操作棒(パン棒)の先端に真鍮製の斜めにカットされた駒が見えます。これがパン棒を少し回転するだけでテーパー状にスライドして回転ドラム外周に当り、がたつきもなくスッと確実に回転を止める構造になっています。金属の剛性と性質を巧みに利用したCuick-setの物作りには感心するところありです。
50年近く昔の製品でアルミのメッキ部分に多少剥がれがある程度で壊れた部分やへたりや摩耗は皆無、これは当時の直輸入品ですが現在は国産化さてパーツ供給も問題ないようです。フリーの状態でスムースに微妙な動きが可能でそのままブレもズレもなくスッと確実に強力固定できる、なおかつ相当な重量級の機材でも難なくこなせる雲台を探している方は是非一度このQuick-setを試してみる価値あると思います。(当時のトレードマーク赤い矢印は今はないようですが国産のハスキー雲台で商品化されています)

ハスキー雲台に興味ある方が多いようで、色々ご意見いただきました。改良刷新して便利に使用していますが、種々の三脚ないしカメラスタンドに取り付ける部分の説明がなかったので追記します。まずはそのコンパクトでシンプルな構成をGITZO G1371Mと比較したのが下の写真です。

改造ハスキー雲台とGITZO G1371M

上の写真「センターシャフトと回転ドラム」でお分かりのようにセンターシャフトにW3/8インチのジョイントナット長さが50mmの物を頭を7mmばかり残し円筒形に削り(ナットの角を取る)密着度を高めるためアルミパイプを噛ませて打ち込みました。硬い木製の台座ワッシャー(厚み8mm)を噛ませて三脚などに固定します。三脚などの雲台取り付けネジは一般的に大ネジと言われるW3/8インチ(約9.5mm)が標準的なのでこれで問題なしです。

三脚など取り付け詳細