変貌し続ける渋谷の街 ber. 1

渋谷の街の記憶は幼い頃、祖母に連れられて玉電に乗り訪れたのが最初だ。(玉電は渋谷から二子玉川園まで主に246号線上を走る路面電車で現在は廃止され、三軒茶屋からの世田谷線が存続している)学生時代も渋谷の街と代官山や原宿もホームグランドような存在だった。109ビルや西武、パルコなどまだ無く現在より下町風でガード下によく行くジャズ喫茶があった。

渋谷は渋谷川が長年に亘り削り出した谷で、その流れは古川を経由して最終的に東京湾に注ぐ。駅周辺が谷底に位置し暗渠になった渋谷川は更にその下を流れる。松濤や神仙方向からは道玄坂、青山方向からは宮益坂とその高低差はかなり有り地下鉄銀座線がビルの三階辺りに飛び出すことになる。山手線も首都高速3号線のすぐ下を潜り地上2階辺りの高さを走る事になる。山手線をはじめ、東急田園都市線、東横線、半蔵門線、副都心線、埼京線、そして京王井の頭線、鉄道だけでも混乱しそうな上、バスターミナルも駅東西に展開する。どう見ても現状はカオス!!!
百年に一度と言う渋谷駅周辺開発は2030年には完了予定と言う事だが暗渠の渋谷川の上での谷底開発!!地下深くから高層ビルまでカオスは解消されるのか、今後も暫くその変化を見続けたい想いだ。

  • 東口バスターミナルより 2017年 No,1 a7Ⅱ SUPER WIDE-HELIAR

 

工事中の駅周辺から宇田川町方向に少し歩き路地を進めば、そこは坂道が多く下町風の雑然とした街並みで昔とあまり変わりない様に見える。(店などは入れ替わりがあると思うが)雑然としながらも活気のある風情を見ると、ここは渋谷だと言う実感がある。若い頃の記憶ではこの界隈に古書店もあり外国系の雑誌など買い求めた記憶もある。少し坂を登って行けばラブホテルが点在し今もそれは変わらない。数十年前の渋谷の景色が色濃く残る場所だ。

 

葛飾北斎の富嶽三十六景の中に「隠田の水車」がある。今の新宿御苑辺りに端を発し原宿、渋谷あたりを流れる渋谷川にいくつかの水車小屋があり、それを題材にしたものと言われる。(渋谷川は昔、隠田川と言われた)川があれば水田もあり田園地帯であった事を想像できる。

林立した高層ビルの地下を暗渠となって流れる渋谷川がやっと地表に現れる現在の形は、のどかな田園に囲まれた川ではなくビルの谷間を流れるコンクリートで固められた水路と化している。宇田川との合流もあり地下に「神南貯留菅」と東口地下に「東口雨水貯留施設」を設置し、その水を浄水した後に流しているが現在の形だ。

地上に現れた渋谷川

尚、タイトルを「変貌し続ける渋谷の街 ber. 1」としたのは再開発中の渋谷の街が今後どのような姿を見せるのか、見届けたい気持ちもあり、まだ捉えきれていない対象も多く、ber. 2に繋げて行きたい想いがある。

7Artisans 35mm F0.95 Sony α7で使う。

sony a7r3と7Artisans 0.95

Sony α7で使うため7Artisans 35mm F0.95 と言う中国製のレンズを手に入れたのでレポートします。普段の撮影では解放F値が0.95と言うレンズを特に必要としないので所持していなかった訳ですが、被写体によっては浅いピント面と気持ち良い前後のボケ味を持ったレンズが有っても良いかなと思っていました。解放F値が0.95や1.0と明るくピントの合った面はシャープで解像度のしっかりしたレンズはかなり高価になります。ライカのノクティルックスF0.95/50mmで撮影した写真からは単にピントが浅いだけでは無くボケて行く中にその場の空気感まで感じ取れる様でした。(ちなみにノクティルックスは現在200万円ほどの価格です)

7Artisans 35mm F0.95はEDレンズ2枚使用の8郡11枚構成で絞り羽根は12枚と綺麗な円形絞り、筐体はアルミ合金製のしっかりした作りでフォーカスリングもガタつきなど無く滑らかな操作感です。フォーマットはAPS-Cサイズで35mm判換算で約54mmとなり一般的な標準レンズの焦点距離とみて良いと思います。購入した一番の理由は開放値0.95のレンズが3万円少々で手に入る事でした。このレンズはイメージサークルが意外に広く35mmフルサイズで使っても四隅が少しケラれる程度で、これを気にしなければ焦点距離35mmとして使えます。(Sony α7系の場合は撮影メニュー1番からAPS-C/Super 35mmのメニューで切り替える)

下の薔薇の写真は35mmフルサイズ、絞り解放f0.95で撮影したものです。(解放絞りだと四隅のケラレも柔かくなり、あまり目立ちません)

7Artisans 35mm F0.95にて撮影の薔薇の写真
ISO 100 シャッタースピード 1/2000    35mmフルサイズ撮影

 

以下はよく使うチャートにて簡単なレンズテストの結果。

撮影テストチャート/F0.95
APS-C撮影 ISO100 F0.95

中心部解像は良好で四隅に行くに従い若干解像があまくなり、尚且つ少し光量落ちがあります。(解放F0.95でも中心部は甘くならずしっかり解像しています)

撮影テストチャート/F5.6
APS-Cサイズ撮影 ISO 100 F5.6

絞りリングにクリックストップが無いのでほぼF5.6では画面全体の解像は良好で四隅の減光もほとんど無しです。(ちなみにクリックストップ無しなのでムービー撮影には適しています)

APS-Cサイズ撮影 ISO 100 F0.95

全体に歪曲歪みはほぼ無く良好、四隅に少し光量落ちがあります。

APS-Cサイズ撮影 ISO100 F5.6

全体に歪曲歪みは無く良好、四隅の減光もほぼ無し。

上記の4点のテストチャートから3万円少々で手に入るこのレンズはサイズ感、質感も含め光学的にも優れた良いレンズだと思います。国産でこの作りと性能を併せ持ったレンズであれば、おそらく3~4倍の価格になるでしょう。中国、深圳の7Artisans!!恐るべきです。

黄色のバラ、クローズアップ
ISO 100 シャッタースピード1/60 電子先幕シャッターON
APS-Cサイズ撮影

上の黄色のバラの写真は花の直径が5~6センチほどのサイズで最短撮影距離0.37mでは寄り切れないのでプロクサーレンズを使用し撮影しました。花の中心部の一点に焦点を合わせると前後は良い感じでボケて描写できます。(APS-Cサイズにて撮影、小型のLEDリングライトを弱く当て補助光にしています。レンズ先端から花までの距離は約20センチ)

高速シャッターで横縞のムラに注意!!

人の瞳の明るさをレンズのF値に置き換えると、おおよそ3.5~4になります。F値o.95のレンズは約4倍明るいと言えます。明るい日中などの環境で開放F値0.95で撮影するとシャッタースピードが1/1000以上と非常に高速になり画像にぼやけた横縞のムラが出る事があります。Sony α7シリーズは電子先幕シャッターを採用しているので通常は先幕は電子式、後幕は機械式フォーカルプレインと言う構成になっています。電子先幕シャッターはほぼCMOS面上にあり機械式フォーカルプレイン幕はCMOS面から少し離れています。高速シャッターではスリット幅が狭くこのわずかなズレがボヤケとして横縞のムラとして現れます。(最初に掲載したピンクのバラの写真や3枚目の菜の花の写真はよく見ると横縞のムラがあります)

Sony α7シリーズの場合、対策としては電子先幕シャッターを切りにして機械式シャッターのみを使う事、NDフィルターを使いシャッタースピードを1/250以下に下げる等が有効です。最近のα9IIIはグローバルシャッターを搭載しているのでこの様な問題が起こらない可能性がありますが所持していないので???

7Artisans 35mm F0.95レンズで撮影した菜の花
ISO 100 シャッタースピード1/2000
庭に咲いた菜の花

 

水滴が耀く夜の窓 7Artisans 0.95/35mm
ISO 100 シャッタースピード1/6
夜・雨の窓より 35mmフルサイズ撮影

 

ISO 100 シャッタースピード1/500 電子先幕シャッターOFF
35mmフルサイズ撮影

 

ISO 100 シャッタースピード1/6000 電子先幕シャッターOFF
庭に咲いた芙蓉の花 35mmフルサイズ撮影にて70%程度トリミング

 

最後に一言、最近では画像処理ソフトでボカシをコントロール出来るものもありますが、自然で気持ち良いボカシを得るには大口径の明るいレンズが必要で写真表現の重要な要素と思います。ただし、使用するレンズにもよりますが、このレンズの様に明るい大口径レンズを開放絞りで使うとレンズ径外周部分まで使い切る事になり、画像上でコントラストの高いエッジ部分にパープル及びグリーンのフリンジが出ることがよくあります。7Artisans 35mm F0.95はEDレンズを使用していますが、絞り開放付近ではフリンジが出るので気になる場合は多少の修正が必要になります。

リーベック ALX S8 スライダー電動化

Libec ALX S8スライダーは大分以前から使用しています。国産の平和精機工業製で精度の高いしっかりした作りと独特の粘りのある8個のベアリングによってスムースに動くところが気に入っています。ALXスライダーでもゆっくり微速で、しかも一定速度でのカメラ移動は手動では限界があります。(手動では何度もやり直し、その中からまあベストをチョイスする方法でやっていました)ごく普通のカメラ移動速度から極微速でしかも一定速度でカメラ移動させるため電動化する事にしました。
カメラスライダーの電動化は他の産業機器や精密機器で動きの制御にステッピングモーターを使用する事が一般的でスライダーも同様と思いますが、ステッピングモーターだと用途に応じた制御回路が必要となるので、ノイズが出るのを覚悟で(同時録音は殆どやらないので)回転速度可変が可能で入手しやすく比較的安価なDCギヤードモータを使いトルクを確保して手っ取り早く電動化しました。DCギヤードモータは種類も多くギヤ比も色々ありトルクと定格回転速度を選ぶ必要があります。スライダーとして実際の使用時にはモーターの回転速度を可変させスライドスピードをコントロールし、停止と反転動作のため6Pトグルスイッチで対応しました。DCギヤードモータのモーター部はブラシモーターなので長期間ではブラシが摩耗します。(それ程高価なものでは無いので交換可能です)

下の写真はスライダープラットフォームを裏側から見たものでスライダーレールの溝空間を利用して駆動タイミングベルトを固定しました。プラットフォームには機材を取り付ける3/8W(大ネジナット)が裏側から差し込まれ金属製の丸いネジ付きの蓋で固定されています。この蓋のセンターに5mmのネジ穴を切りアルミ加工して作ったベルト固定金具を取り付けた状態です。これにより駆動ベルトやタイミングプーリーがスライダーレールの溝部分に収まりスッキリした外観に出来たと思います。なお固定5mmネジは撮影現場でコインでも締め付け出来るように溝を切りました。スライダー本体に加工を加えたのはこの5mmネジ穴のみで、他は既存に用意されているネジ穴を利用しています。Libec スライダーは数箇所にネジ穴が用意されているので使い勝手が良いです。

上の写真より構成パーツを紹介します。上側にあるのがアルミで作った取り付け台座に DCギヤードモータを取り付け、さらにGT2タイミングプーリー20歯を組み付けた駆動パーツ。少し離れた位置から操作出来るように約80cmの電源コードを繋げてあります。斜め下にあるのがベルトを受けるプーリー(同じく20歯)で台座プレートの固定用ネジ穴はベルトの張りを調整するため長円形に加工してあります。下側にあるのがアルミ製の取り付け金具を付けたGT2タイミングベルトです。右側のコントロール&電源部はアルミ板を折り曲げて作り木片で固定した中にトグルスィッチとPWM 速度コント ローラーを収め、その上にSIXOCTAVE NP-F シリーズ バッテリー 用 アダプターをネジ止めしたものです。さらに右側がアダプターから外したNP-F550タイプバッテリーです。

上の写真はコントロラー&電源部の中身で左側にある6Pトグルスィッチで停止と左右移動切り替えが可能です。(スライダーが水平の場合左右で、垂直使用の場合は上下切り替え)DCモーターPWM速度コントローラーは3~35v対応、NP-Fシリーズバッテリーは7.2~7.4vなので問題なしです。PWM速度コントローラーの入力側から出ている黒いコードがSIXOCTAVE NP-F シリーズ バッテリー 用 アダプターに繫ります。

実際使用状態の話

電動化したスライダーは撮影現場で運用しています。(必要があって作った訳ですから・・・)おおよそ意図した通りに動いています。リーベックALX S8のレール長は80センチですが動作範囲は70センチになり、プラットフォームに載せる機材は雲台、カメラボディ、レンズ等含め今現在最大で約1.7Kgになります。なお電動化したのでプラットフォームに付いているフリクションツマミは緩めてフリー状態にしておきます。水平状態での70センチ移動は最大スピードで約 25秒、安定して動く最低スピードで約 3分30秒です。更にモーター回転数を落とすと不安定な動きになります。70センチを3分30秒かけての移動状態はよく見ないと動いている事が分からないくらい微速度移動です。更にギアードモーターのノイズもかなり小さくなります。

水平状態使用だけでなく斜め45度と垂直での動作も現状の搭載機材で行いました。垂直状態での上昇と下降は可能ですが荷重でスピードが変化するのでモーター回転スピードをコントロールする必要があります。ストッパーなどの機構はまだ作っていないので注意しながら使っています。(カメラ映像を注視しているとスライダー監視が出来なくなり危険でした)

今回使用したパーツの紹介

いずれもAmazonより購入したものです。
◉Hilitand DCギヤモータ 歯車モーター 低速メタルギヤモータ25mm DC 12V 25GA-370電子ロック用(12V 60rpm)¥1,253(税込)
◉KeeYees GT2 タイミングベルト 5M + GT2 タイミング プーリー 20歯 + 歯付アイドラー + タイミングベルト テンショナー + 固定用クランプ + アレンキー + M4 イモネジ 8個 3Dプリンタパーツ¥1,820
◉KKHMF 2個 5Aミニ DC モータ PWM 速度コント ローラー 20kHz 3V-35V スピード コントロール スイッチ LED 調光器 「国内配送」¥679(税込)
◉SIXOCTAVE NP-F シリーズ バッテリー 用 アダプター マウントプレート SO-F980D¥1,999(税込)

Hilitand DCギヤモータに付いては今回使用したのは60rpm(一分間で60回転)でギア比は1:200、トルクは11.8kgf.cm ですが、更に極低速運転するならギア比は1:650の5rpmもあります。トルクは15.4kgf.cmとかなりあります。KeeYees GT2 タイミングベルトはセット商品でタイミングベルトは5メーターあるので劣化したら取り替える余裕ありです。KKHMF 2個 5Aミニ DC モータ PWM 速度コント ローラーは二個セットもので二個とも動作は問題なしでした。(今回は一個しか使いませんが)SIXOCTAVE NP-F シリーズ バッテリー 用 アダプターはその種の中で比較的安いものでしたがバッテリー装着時のイルミネーターもあり、アウトプットに5V USBもあるので別途カメラ電源供給などにも使え便利です。なお、今回使用したDCギアードモーターは消費電力が小さいのかNP-F550タイプバッテリーでかなり長時間の使用が可能でした。

富士山 奥庭 (御庭)森林限界の景色

富士山の森林限界(標高約2,200メートル)で撮影した写真を紹介します。富士スバルラインを登ると五合目まで車で行く事ができます。五合目の少し手前に奥庭の駐車場があり、そこから徒歩で少し下ると奥庭(御庭)です。昔からよく知られた観光スポットでもあり、「天狗の遊び場」とも言われています。
富士山は独立峰で現在も活火山です。最終氷期が終わった後も噴火が繰り返し起こった為2,000メートル付近から上はでは溶岩と火山砂礫に覆われ養分のある土は見当たりません。また独立峰で周囲の山々から植物が侵入しにくいという条件も重なり、独特の植生を観ることができます。(低いところでも火山活動の影響で保水性が低く森林限界の境界線が発生し、樹木を育てる条件が欠けてしまう)
奥庭は溶岩と砂礫の上に風雪に耐え矮小化したコメツガやカラマツの生える美しくも異様な姿を観察するには最高の場所で、自然が創り出した盆栽の様でもある。




このページに掲載した写真は少し古く2007年5月にNIKON D200と24-85Zoomで撮影したものです。NIKON D200は撮像素子がCCDセンサーで今時のCMOSセンサーと比べ独特の豊かな色のりが気に入っているので現在も時々使います。D200の撮影画素数は約1,000万で今日的感覚から見れば少なく小さいが、普通に使うぶんには充分。
機会があればまたこの奥庭を訪ねて見ようと思いますが、富士山が2013年に世界遺産へ登録された事により海外の観光客も含め大幅に訪れる人が増加し、それにより様々な規制も増えました。ゆっくりと静かな富士山を堪能する機会は減っている様に思います。




友人が育てた立派な松の盆栽を撮影した事がありますが、同じく極限の環境で生きる富士山奥庭の植生を観た時は自然の持つ強靱な生命力と、そのスケールに圧倒されます。
奥庭から少し下がった標高で撮影した5月の芽吹きと新緑の写真を最後に載せます。

甦るclassic Porsche

国内で最初にポルシェのインポーターとして活動を開始したミツワ自動車の雑誌広告制作に携ったのでポルシェの種々車種やその整備状況の現場で取材及び撮影をする機会を得た。僕にとってこの仕事に拘ったのは幾つかの経緯がある。話せば長くなるのでいくつかの偶然とだけしておこう。

国内での外国車のインポート、昔はメーカー本社と協議し国内での販売権を獲得した企業が行なっていたが、最近では海外のメーカーがそれぞれの国に自社直轄の販売拠点を置き管理するようになったので国内資本の大手インポーターはその多くが消失した。また世界中の車メーカーが合併や吸収、提携など盛んに行い、一昔前とは様変わりしている。ミツワ自動車もその流れの中で空冷ポルシェを中心に販売とメンテナンスを行うMIZWA classicを立ち上げた。

甦るclassic Porscheとタイトルしたが、昨今は化石燃料から電気エネルギーに移行とか言われ車も家電商品化進行中で、この先暫くで様変わりするかも知れない。個人的には永らく続いた化石燃料使用の内燃機関はエネルギーの全体的な状況を見れば、そう簡単に移行できるとも思わないが・・・。

車のデザインも大きく変化してきた。使用素材の変化と生産コストの削減、何より人の手から離れロボットの作業場と化したメーカー工場で作られる車は家電商品と同じく売れ筋のコストパフォーマンスの高い??単なるトランスポーターと化し、どれも皆似た様なフォルムとデザインになり以前と比べると肥大化してしまった。独特の形と無駄のない締まったフォルムを持ち個性的な雰囲気を醸す車はかなりの少数派と言えよう。車に高い趣味性を求め自らの感覚と感性にあったフォルムとデザイン、そしてその個性的な走行感覚と永く付き合える車を今日求めようとすれば時間を遡って探す事になる場合が多く、運よく出会っても相当手を入れないと本来の性能を発揮し走ることが不可能な車も多い。

それはPorscheに限った事ではなく国産車や欧米車も同様で、まさに愛すべき往年の車は数こそ少ないが再生修理作業が世界中で行われている。(金銭的余裕とかなりの時間が必要だが)MIZWA classicも往年のPorscheを扱う拠点の一つだ。
下のスライドショーはオーバーホールやレストア作業の数ショットから組み立てました。ご覧下さい。

  • エンジンブロックの洗浄
  • 新しいクランクシャフトの組込み
  • クランクケース組み立て
  • 新たに組み上がったエンジン
  • 356キャブレター組み立てと調整
  • メカニカル燃料ポンプの調整
  • ヘッドのバルブあたり調整
  • リビルト済み回転計の組込み
  • ボディの古いアンダーコート剥離
  • 内装張り替え、天井部分
  • ボディの全塗装、プライマー吹付工程

最近の車は使用素材が変化したと書いたが、樹脂(プラスチック)素材の一体モールドパーツが多く使用されている。布や革、レザーなど内装材は張替えが効くが樹脂モールドパーツなどは故障や劣化したら廃棄しかない。90年代やそれ以前の頃までの車は重要な部分に樹脂パーツをあまり使用していない。また使用している鋼板も鈑金修復作業可能だ。要はある意味長持ちする様に造られていたと言うべきか。半世紀前に製造された車でもその気になれば修復、レストアが可能だ・・・。


上の写真はオーバーホール途中の911エンジン、空冷水平対向6気筒、これが車の後部フロアレベルの位置にに搭載されている。メンテナンス時も車をリフトアップし下え降ろす様に取り出す。ポルシェは非常に低重心である理由はボディ設計にもよるがこのフラット6の形状とその取付位置による処が大きい。

下の写真はウェーバー ダウンドラフト トリプルチョーク キャブレター。随分と使い込まれている様子がエアファンネルの色味などから判るが、しっかり調整済みである。(エアクリナーなど外してある)アクセルペダルを軽く踏めば空気を吸い込む吸気音と共にフラット6は瞬時に吹け上がる。生き物のようなキャブレターを好むポルシェフリークも多い。

この甦るclassic Porscheの記事を書いたのは2024年だが、現在ミツワ自動車は廃業しMIZWA classicも存在しない。静岡県小山町にあった施設の所有は他に移ったが、長年ミツワで腕を奮っていたポルシェ一筋のベテランメカニックは他の組織に移動し、現在も活躍している。