Sony α7Ⅱの使用をベースにビューカメラを自作しました。特別な工作機械が手元にあるわけでもなく、精度は実用に耐える物にしたかった為、手元にある既存のパーツを流用することから始めました。友人から譲り受けたNikonの接写ベローズPB-6の不要部分をカットしてカメラのベースとし、フロントはリンフォフマスターテヒニカ(最近は殆ど使うことないので)のフロント部分を流用、リアのスタンダードとカメラマウントはアルミ材の自作。
「蛇腹」これが難問。短いフランジバックの中で自在に動く柔らかさと完璧な遮光性が必要で2mm厚のネオプレン素材の袋蛇腹をハンドメイド。出来るだけ多くの手持ちレンズに対応するように大小二個製作、マグネット脱着方式です。

ビューカメラ製作の意図
カメラがデジタル化される以前、仕事で使うカメラは主に4×5インチ(一般的に言うシノゴ)や8×10インチ(エイトバイテン)等が多く、画質よりも機動力優先の場合に6×6(ハッセル)や35mmカメラを使っていました。
初期のデジタル一眼の画素数や画質が仕事に使うには満足出来るものではなかったが、数世代過ぎた現在のものは飛躍的に画素数も増えダイナミックレンジも拡大し、もはや昔の大判カメラの領域を超える描画性能を持っていると思いますしさらに高性能化が進むでしょう。
しかし、デジタル一眼カメラは、フィルム時代の基本構造を引き継ぎつつ発展したので、そのシステム構成の中で普通に使用するにはなんの問題もないけれど、レンズやボディの汎用性(色々な使い回し)がほとんど無く、高性能化の中でレンズもボディも大きく重い物へ変化してきました。
Sony α7シリーズはミラーレスのためレンズマウント面から撮像素子まで18mmしかなく、色々なレンズが使用可能と汎用性が高く、その小型で薄いボディはデジタルバックタイプに近い構造で、これまた汎用性の高いボディだと思います。
Sony Eマウント用のシフト、ティルトマウントアダプターもありますが、種々のレンズに対して互換性が無く、ボディ側固定でレンズを動かすタイプが多く、これではビューカメラの機能の半分しかないことになる。
Sony α7Ⅱを入手したので、その小型で薄いボディを利用して、接写はもとより、スィング、ティルト、シフト等可能なスタジオ内使用だけでなく屋外にも持ち出せ、4×5インチ用や6×6(ハッセル)用の手持ちのレンズ使える小型ビューカメラを自作しました。

動作説明カット
下の7枚のスライドショーはMamiya-Sekor C 35mm N 645レンズ装着、無限遠にフォーカスした状態で各動きを示しています。動かせる範囲はレンズのイメージサークル内に限定されますが・・・

主要構成部品の紹介

α7Ⅱ View camera 構成パーツ-01

画面左からリンフォフレンズボード2枚で上がフラットボードにハッセルレンズマウントを付けたもの、下が凹型ボードにマミヤ645レンズマウントを付けたもの、(マミヤ645レンズはハッセルレンズに比べるとフランジバックが少し短いので凹型ボードで対応)上段左がリンフォフマスターテヒニカのフロントユニットでこのコンパクトな中にスィング・ ティルト・シフト・ライズなど機能が詰め込まれています。その右側がNikonの接写ベローズPB-6を流用したカメラベースでテヒニカのフロントを装着する台とカメラマウントを装着する台で左右にシフト出来る構造のアルミ製です。下段中央がネオプレン素材で作った袋蛇腹で円形に8個並ぶネオジムマグネットでカメラマウントに強力に固定できます。画面右下の二個はカメラマウントで縦位置用と横位置用、足の溝が上下固定用のネジが入る部分で可動域は28mmです。(作業性が良くないので将来的にはギヤ駆動に変更を考えています)

α7Ⅱ View camera 構成パーツ-02

画面左がネオプレン袋蛇腹をレンズボード側から見た状態で、空き缶を利用した薄い鉄板の二枚貼り合わせで画面右側のテヒニカフロント(裏側)の四個のネオジムマグネットに吸着固定します。ネオジムマグネットは直径12mmのサラネジ穴のあるものを使い、元々あった蛇腹止めネジ穴を利用し固定、遮光性を上げる目的でネオプレン素材を貼りました。